先日の一部の報道で、コーヒーに発がん性があるということがニュースになりました。
私だけでなく、コーヒーが大好きな方にとって心配な内容です。
なので、さっそくリサーチしてみました。
目次
コーヒーに発がん性があるというニュース
一般社団法人の全日本コーヒー協会によって、2018年4月3日に回答されています。
内容は、2016年の6月にIARC(国際がん研究機関)の研究結果によると、コーヒーは「ヒトに対する発がん性について分類できない」と発表しているというものです。
簡単にいうと「コーヒーを飲むことで、がんが発生する」とは決められないということです。
さらに発がん性があるのではなく、肝臓や子宮内膜のがんについて発がんのリスクを低下させるというのです。
国立がん研究所によると、2015年の5月に行った疫学研究の結果報告では、
今回問題となっている成分は、コーヒーに含まれているアクリルアミドです。
このアクリルアミドは、アスパラギンと還元糖を含んでいる食品を一定の温度で加熱したときにもつくられる成分で、料理をする上でも含まれないようにするのは難しいというもの。
例えば、野菜炒めやフライドポテト、ほうじ茶の葉や麦茶などからも検出されるようです。
私たちが日常的に食べて、飲んでいるものに入っているということになりますね。これは、アクリルアミドをとらないように生活する方が難しいです。
IARC(国際がん研究機関)が行った動物の実験では、アクリルアミドがヒトに対しておそらく発がん性のある物質と分類しています。
動物の実験結果であることや、可能性としてあいまいなことから、混乱を招いたのだと考えられます。
この見解に対してWHO(世界保健機関)では、それぞれがバランスの良い食事をとることを推奨しています。
新聞で報道されたのは、カリフォルニア州の法律でプロポジション65という安全飲料及び有害物質施行法に沿った裁判の結果です。
そしてこの報道は、アメリカの全体の見解ではないことが伝えられています。

全日本コーヒー協会での対応
全日本コーヒー協会では、これらの報道を受けて独自に調査をするために各関係機関に依頼し、分析をしています。
分析したのは、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒー。
レギュラーコーヒーは、コーヒーの生豆を焙煎事業者に委託し、インスタントコーヒーは、市販品のコーヒーについて分析の依頼をしています。
依頼先は、一般財団法人の日本食品分析センターです。
全日本コーヒー協会が依頼した分析の内容
粉の状態のレギュラーコーヒーを16点ほど使用し、このなかにアクリルアミドがどの程度含まれているのか分析しています。
16点ある製品のなかで、含まれているアクリルアミドの数値として多くみられたのは、0.2〜0.3ppmのレギュラーコーヒー。そして16点の製品のなかで、10点を占めたレギュラーコーヒーは、かなり浅い焙煎度のコーヒー豆ということでした。
0.1ppm-3点
0.2ppm-5点
(かなり浅い焙煎度のコーヒー)
0.3ppm-5点
(かなり浅い焙煎度のコーヒー)
0.4ppm-2点
0.5ppm-1点
0.01ppm-6点
0.02ppm-9点
0.03ppm-1点
さらにレギュラーコーヒーの抽出液を分析した結果、さきほどの分析結果の10分の1以下のアクリルアミドでした。
インスタントコーヒーの分析は、市販品の14点。
0.1ppm-1点
0.2ppm-1点
0.4ppm-3点
0.5ppm-5点
0.7ppm-4点
これを、140mLのお湯に2gでつくったコーヒーに含まれているアクリルアミドを分析したところ、0.002〜0.013ppmという結果が得られています。
全日本コーヒー協会の見解
コーヒーはし好品のため、浅煎りや深煎りなど好みがありますが、大切なのはバランスの良い食事をすること。
これはWHO(世界保健機構)と同じ見解になりますね。
なお注意点として、必要以上にアクリルアミドを恐れることはないとしたものの、浅煎りのコーヒーより深煎りのコーヒーの方がアクリルアミドの形成が少ないことを示しています。
コーヒーが好きでよく飲みますが、バランスの良い食事をとりながら、楽しむことが大切のようですね。
気になる方は、全日本コーヒー協会に分析された詳しい資料がありますので、ぜひご覧ください。
INFO/画像提供/全日本コーヒー協会
URL:http://coffee.ajca.or.jp/